きよかぜ便り

60の手習いで覚えたパソコンとカメラで楽しんでいます

2015年02月


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二宮駅から上りの東海道線に一駅乗り、大磯駅で降りました。駅前のこんもりした森の中には「澤田美喜記念館」・「エリザベス・サンダース・ホーム」があります。

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澤田美喜は三菱財閥の創始者・岩崎彌太郎の孫として生まれました。戦後の混乱の中でアメリカ占領軍兵士との間に生まれた混血児の救済と養育のためにエリザベスサンダースホームを設立しました。この敷地には元々岩崎家の別邸がありましたが、戦後の財閥解体とともに、岩崎本家は財産税として大磯駅前の別邸を政府に物納しました。澤田美喜はこの土地を政府から買い戻し乳児院を建てようとし、自分の財産を全部放出しましたが資金が足りませんでした。その時に英国大使館に福祉事業に使って欲しいと委託されていた英国人エリザベス・サンダースの遺産170ドルが寄附され、この寄附の資金を基にして岩崎別荘を買い戻し乳児院の設立に踏み切る事が出来ました。(大磯町ホームページより抜粋)

 
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澤田美喜顕彰碑…門を入った処にあります


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「聖ステパノ学園」…サンダースホームの中にある小・中学校です。

門を入った左手の小道を上ると澤田美喜記念館があるようですが、今回は行きませんでした。前の道を国道1号線に向かって歩き、鴫立庵へと急ぎました。

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鴫立庵…石橋の下を流れるのが"鴫立沢"です


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鴫立庵の石橋の前は、国道1号線(旧東海道)です


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鴫立沢は庵の前から脇を流れ"こよろぎ浜"へ


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鴫立沢で見つけた「ハクセキレイ・白鶺鴒」


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「俳諧道場」…京都の「落柿舎」・滋賀の「無名庵」と共に日本三大俳諧道場です

「心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮」…平安末期の歌人・西行法師が大磯あたりの海岸を吟遊して詠んだといわれている歌です。江戸時代初期の 1664 年に小田原の崇雪という人物が、西行のこの歌にちなみ、昔の沢らしい面影を残す景色の良いこの場所に鴫立沢の標石を建て、石仏の五智如来像をこの地に運び草庵を結んだのが始まりです。ちなみに崇雪には、小田原町宿老として伝家の丸薬である透頂香(とうちんこう)を売る小田原外郎(ういろう)こと宇野家の出であるとの伝聞があります。(大磯町のホームページ参照)

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奥の「円位堂」…円位は西行の法名で、御堂は元禄時代そのままの建造物です


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円位堂の扁額


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堂内の西行(円位)像…等身大の坐像です


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『心なき身にもあわれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ』…西行歌碑

この歌は「三夕の和歌」、秋の夕暮れと結んだ三首の名歌として知られ、
共に新古今集に所蔵されています。他の二首は…
『見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫家の秋の夕暮れ』…藤原定家
『寂しさはその色としもなかりけり槇立つ山の秋の夕暮れ』…寂連法師


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芭蕉句碑…珍しい円柱の句碑です

「箱根越す人も有るらし今朝の雪」・「春たちてまた九日の野山哉」・「みのむしの音を聞きに来よ草の庵」・「日のみちや葵かたむく皐月雨」の4句が刻まれています。

西行は能因法師に憧れてその歌枕を旅し、芭蕉は西行に憧れてその足跡の旅に出たと、聞いたことがあります。句碑の4句は、大磯の句でないのが気になります。


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法虎堂…虎御前の像が祀ってあります

虎御前は大磯宿の遊女で舞の名手だったと言います。曽我兄弟の仇討を描いた「曽我物語」の兄・曽我十郎の思い人です。


庭園は約200坪、さして広くはない園内には至る所に歌碑や句碑が立ち並びます。

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奥の建物は茶室です


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左は「佐々木信綱歌碑」・右は「草間時彦句碑」


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五知如来像(釈迦・阿弥陀・大日・薬師・宝生の五仏)


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園内の紅梅白梅は満開でした

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鴫の井戸

鴫立庵を後に、傍らの道を海辺へ向かいました

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鴫立沢の水の流れは、こよろぎ浜の渚近くの砂地に吸い込まれて消えます


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照ヶ崎海岸(こよろぎ浜)…幽かに箱根の山並みが見えます

古代の大磯海岸は「よろぎ(ゆるぎ・こゆるぎ・こよろぎ)」の磯と呼ばれ、 多くの歌人達が大磯の景観を舞台に歌を詠んでいます。砂は鉄を含むのか黒っぽい色です。


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さざれ石と呼ばれる砂礫の美しい海岸…旧東海道の松並木の景観も見えます


…二宮・大磯散策③に続きます…







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2015年2月11日(水)…数年前に、古事記や日本書紀に記される「弟橘媛命」所縁の神社を訪ねて二宮に来た時に、観光センターの方から"是非菜の花の季節においでください…富士山と菜の花が綺麗ですよ"と、誘われました。観光協会のホームページを検索すると、丁度菜の花が見頃との情報です…夫と出掛けることにしました。

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JR二宮駅のホームから、吾妻山が見えます


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吾妻山公園・役場口…山頂までは結構きつい石段の道です


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300段の石段


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山の斜面にはニホンズイセンが群生しています


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ここはツツジ園…4月下中には2万株のツツジが咲き誇るそうです


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子供の楽しめる遊具が一杯…『ローラーすべり台』もあります


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吾妻山山頂は標高136.2m…中央の木は「エノキ・榎」です

山頂は芝生の広場になっていて、縁には桜が植えられています。展望台からは360度の大パノラマの眺望、箱根、丹沢、富士山が身近に見渡せます。


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富士山と菜の花


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富士山にピントを合わせました


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今度は菜の花にピントを…


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目線の高さに見える富士山


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丹沢・大山


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一番の撮影アングルにはカメラマンが一杯…割り込みは出来ませんでした


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山頂の西側は1800m²の広さに4万5000株の菜の花が植えられています

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辺り一面菜の花…甘い香りが漂います

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こんなカメラマンも…美少女フィギュアと菜の花


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山頂の広場でシートを広げてランチ…私達もここで"おにぎり"を頬張りました


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時を追うごとに山頂の人が増えます


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南側には相模湾が開けます…吾妻山の麓の海岸は「梅沢海岸」と言われます


山頂から中腹にある吾妻神社へと向かいました…ここが今日本来の目的地です

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吾妻神社・鳥居…梅沢海岸からの参道を上った処にあります


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吾妻神社・拝殿

「吾妻神社は梅沢の大神でその創建は第12代景行天皇の時代と伝わります。主神は弟橘媛命とし日本武尊を配祀します。日本武尊は景行天皇の第三皇子、天皇の命で東征の途次、三浦半島走水から海路を上総に渡る時に、突如暴風が起こりました。そこで妻の弟橘媛命は夫に替わり海神の怒りを鎮める為に、夫の武運を祈りつつ海中に身を投じました。するとたちまち海は穏やかになったとい云います。その7日後に命の御櫛が海辺に流れ着き、その櫛を埋めて御陵を造ったことからこの地域一帯を埋沢といい、梅沢と同音です。又命の小袖が磯辺に漂着し、これを取りて山頂に祭ったと伝えられ、梅沢海岸の東側を袖ヶ浦海岸と言います」  吾妻神社社前の由緒記とパンフレットを参考にしました)


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吾妻神社・本殿


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山腹から眺める相模湾…海の中央にうっすらと江の島が見えます

吾妻山を下りて、二宮駅から電車に乗り大磯へと向かいました

…二宮・大磯散策②に続きます…



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2015年2月8日(日)・都立薬用植物園の林地に、そろそろセリバオウレンの花が咲く頃と思い、自転車で出掛けました。住む街から野火止用水緑道を通りますが、途中3か所は保護林の雑木林の中の道です。林の中の道はぬかるんだ泥道で、それを避け枯葉上を自転車を引いて歩いたら、泥と枯葉が混じってタイヤが"あんこをまぶした"ようになってしまいました。恥ずかしくて街中に出られません…枯れ枝でしばしタイヤの泥を落としました。ズボンの裾に着いた泥には目をつぶりました。


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フクジュソウ(福寿草)


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セツブンソウ(節分草)…林地に一輪だけ咲いていました


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スノードロップ

林地のセリバオウレンはまだ咲いておらず、離れた日当たりの良い所に一株だけ咲いていました。花ガイドの方に伺うと、林地の枯葉を押し上げて一斉に咲くのはあと2週間後頃と言います。数年前に初めてセリバオウレンが枯葉を押し上げて咲く風景を見た時には、はかなげに見える早春の花の息吹、逞しさに感動しました。

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セリバオウレン(芹葉黄連)


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セリバオウレンは生薬の黄連となり、建胃、整腸剤の薬効があります


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オニシバリ(鬼縛り)…樹皮が強靭なのが名の由来です


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ミツマタ(三椏)…まだまだ蕾が固いです


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満開の紅梅


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ナギイカダ(梛筏)…葉の上の花と実が同時に今の季節には見られます

園内に咲いている花は少なく、寒さ除けに温室に入りました

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オクナキルキー(ミッキーマウスノキとも呼ばれます)


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花後の実が黒くなると、赤い萼片との様がミッキーマウスの顔に見えます


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ムユウジュ(無憂樹)…アソカノキとも呼ばれます

ムユウジュは釈迦の生涯に関わった"仏教三聖樹"の一つです。懐妊中のマヤ夫人が里帰りの途中、現在のネパールにあるルンビニで、右手でムユウジュの花に触れようとした時 陣痛がおき、釈迦が生まれたという言い伝えのある木です。

 

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カカオ…木には実が一杯成っています


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コエビソウ(小海老草)…花が小海老の尻尾に似ています


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トウワタ(唐綿)…ガガイモ科の植物で種子が綿のようになります

植物園を後に、帰りはどの道にしようかと思案、遠回りして帰りました。泥だらけの自転車と私、これ以上汚れたくないので…途中から空堀川沿いの道を走りました。

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空堀川…今の季節は河床に水が流れていません

空堀川の源は武蔵村山市のカタクリの里のあたりです…清瀬で柳瀬川に合流する
一級河川ですが渇水期に水がなくなります。でも大雨になると暴れる川です。


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ホトケノザ(仏の座)…土手道に咲いていました







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2015年2月4日(水)・セツブンソウに興味があり、日程に都合のついた二人の友人と野川公園へ出かけました。今回は中央線・武蔵小金井駅で待ち合わせ、調布駅北口行のバスに乗り"野川公園一乃橋"バス停で降りました。

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白い5枚の花弁のように見えるのは蕚です。花弁は退化して黄色い筒状となり大きくY字型に2股に分かれます。黄色の二つの小さい突起との間の底に蜜腺があります。 青紫色の雄しべは花粉をだし、雌しべは中央の薄い紫色で、実を結びます。その実は、黄色い蜜と一緒にアリが巣に運んで発芽するアリ散布植物です。

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オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)

野川の土手にはオオイヌノフグリが沢山咲いていました。在来の「イヌノフグリ」は最近数を減らしていますが、野川公園自然観察園では見ることが出来ます。


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ダイサギ(大鷺)

ダイサギはシラサギの一種です。白い羽に嘴が黄色で足と首が長く、大型なのが特徴です。夏羽では嘴が黒くなるそうです。


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ツグミ(鶫)…近くの枝に止まってくれて、可愛く撮れました


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カワラヒワ(河原鶸)

野川公園自然観察園を一巡りして、野川の土手道を歩いて「はけの森美術館」に行きました。もうおなかペコペコです…ここの裏に在る"オーブンミトンカフェ"でランチをとることになっていました。お庭に入っていくと、し~んとしています…ちょっと変です…何と本日は営業していませんでした。3日前にメニューなど確認しに来ていたのに、営業日は確かめませんでした…本当にドジです…ごめんなさいでした。
ここのカフェの営業日は不確定です…必ず事前に電話で確かめなくてはいけないです…同じ間違いを起こさない様に心しました…国分寺崖線の坂道を上り駅近くのファミレスでビールとランチ、ランチ後のお話も弾んで楽しいひと時を過ごしました。







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2015年2月1日(日)・セツブンソウが咲き出したとの情報を得て、久し振りに野川公園へとサイクリングしました。途中に小金井公園内を横切ったら、梅園の白梅が咲きほころんでいました。今日から2月…風は冷たいですが春の足音が聞こえてきます。

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野川公園内を流れる野川…左手に野川公園自然観察園があります

自然観察園内に入り、セツブンソウの咲いている処へ急ぎました

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セツブンソウ…枯葉の合間に小さな花が沢山群生しています


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セツブンソウ(節分草)…ここのセツブンソウは花丈が5㎝程です


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セツブンソウ(節分草)はキンポウゲ科の多年草で、5枚の花弁のように見えるのは蕚です。ブナ林などの落葉広葉樹林の林床に生え、石灰岩地を好むようです。

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咲いている場所により、同じセツブンソウでも何となく花の姿が変わります

セツブンソウ目当てに野川公園自然観察園に来る人が多く、いつの間にか人が集まります。順番にカメラに収めて、ベストアングルの位置を譲り合います。

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キチジョウソウ(吉祥草)の実…園内には数日前の雪が解けずに残っています

野川公園自然観察園はバードウオッチングにも最適の処です。カワセミにカメラを向けていると赤いマフラーの素敵なおば様が近づいてきました。とても野鳥に詳しいのです…お話を伺うと元山女で70過ぎまでは登山をしていて、只今81歳とのことでした。野鳥はDVDを買ってきて目と耳で覚えたそうです。1時間ほど園内をご一緒に巡り、いろんなお話を伺うことが出来ました。

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カワセミ(翡翠)…鏡池の木の枝に止まっています


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移動し別の小枝へ…何度も池に飛び込んで小魚を捕りますが写せませんでした


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コゲラ(小啄木鳥)


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コゲラはひっきりなしに木を突っつき、中の虫を食べているようです


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ヒヨドリ(鵯)…ロウバイの枝に止まっています…オールバックの髪型が綺麗です


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ツグミ(鶫)…山桜の幹に止まり空を見ています

ツグミは10月頃、シベリアから大群で渡ってくる冬鳥の代表で、日本へ着くと群れを解いて、田畑や低い山の林に散らばって生息、3月なかばごろになると再び群れて北へ帰ります。胸を張って木の枝にとまり、地面におりて枯葉の下の虫をさがします。古くは跳馬と呼ばれましたが、これは、地面をはねるようにとんでエサをとる格好からのネーミングです。伝統的にカスミ網猟をしていた地方では、食用にする習慣がいぜんとして残り、密猟が全くなくなったとは言えません。冬鳥なので日本ではさえずりをしません。そこで冬には口をつぐんでいる、それでツグミと呼ばれるようになったといわれています(ネット検索…サントリーの愛鳥活動より)

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ハクセキレイ(白鶺鴒)…自転車の前を走っていきます

野川公園は東西を東八道路が横切り、北側と南側に分断されています。野川が流れるのも自然観察園もその北側の部分です。南側には武蔵野の森が多く残存し、元国際基督教大学(ICU)所有のゴルフ場名残りの芝生が広がります。

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野川公園南側の芝生広場では、凧揚げやキャッチボールを楽しんでいます


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梅園の白梅が咲き始めています


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ロウバイ(蝋梅)園の花は満開です


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ジョウビタキ♀(尉鶲・雌)…切株の上でじっとしていてくれました


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シジュウカラ(四十雀)…カメラを向けると立ち止まり視線が合いました


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シジュウカラ…30羽以上も高い木の梢に止まりますが、忙しなくてよく写せません


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コサギ(小鷺)…野川の中を歩いています


野川公園からの帰路、野川べりの高い木の梢に賑やかな小鳥が群れていました。初めて見る野鳥です…自然観察園でもらってきた野鳥パンフレットを広げて見比べていると、"電動シルバーカート"のおば様が車を止め、"何という名の野鳥でしょうね"と…しばしの間野鳥談義をしました。結論はカワラヒワではないでしょうかと…

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カワラヒワ(河原鶸)…野鳥図鑑やネット検索で調べました


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カワラヒワの♀…メスはお腹の黄色が薄いそうです

カワラヒワの体長は約 14㎝、雀よりもやや小さいです。全体的に黄褐色で、太い肌色の嘴と、翼に混じる黄色が特徴的です。

セツブンソウにも小鳥にも出会えたし、素敵な年上のおば様ともお話出来て嬉しい一日でした…この可愛いセツブンソウを友人にも見てもらいたいと思いました。




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