2015年6月11日(木)・八ヶ岳の山荘から一時帰宅中の友人の"山から持ち帰ったお花を取りに来ませんか…"とのお誘いメールがありました。ナツツバキに紅白のヤマボウシにサラサウツギ…すぐにお誘いに乗りお邪魔しました。お部屋のバケツ一杯に、沢山の山荘に咲く花があります…その花に見入っていると友人が"じゃ~~ん、サプライズの花よ"と、花瓶に活けた1本のベニバナヤマシャクヤクの花を持ってきました。私にとっては幻の垂涎の花…今年は花咲く山荘には伺えませんでした。
ベニバナヤマシャクヤク(紅花山芍薬)…今朝、蕾が開いたばかりの花です
ベニバナヤマシャクヤクはボタン科の多年草で落葉広葉樹林下などの山地帯に生えます。白いヤマシャクヤクも絶滅危惧種ですが、赤い花を咲かせるベニバナヤマシャクヤクは環境省のレッドリストの危急種(VU)に指定される珍しい花です。
花瓶を外に出したら、目の前で花弁がふっと開いたように感じました…帰宅後写真をパソコンに取り込むと、本当に部屋の中に置いた時よりも花が開いていました。
山荘にはこの危急種に指定されているベニバナヤマシャクヤクの花が群生します。今年花数をカウントしたら155個あったそうです…大切に愛しみ育んだこの花を、まさか切って来てくださるとは思いもよりませんでした。驚いて、目にした瞬時には言葉のひとつも出ませんでした。空想し想像していた通りの可憐な美しい花でした。
白いヤマシャクヤクの雌蕊は3本ですが紅花種の雌蕊は3~5本です。種をまいて6~7年で花が咲きますが、最初の数年は花は咲いても種はつかないそうです。この花の様に雌蕊が5つもあるのは、種から十数年経た株との事です。蕊を覗くと、可憐な花ですが野生の強さも秘めているように感じます。強い日差しの下に長時間置くと、花が開きすぎて早く散るのではと心配すると、花の主の友人は"今朝咲いたばかりだから大丈夫よ…3回開閉を繰り返し4回目に開いた後に散るのよ"と…ハスと同じですね…花守さんでなければ知りえない貴重な知識を教えて戴きました。雨が降ると花は花弁を綺麗に丁寧に畳みます…友人のブログ写真で初めて知りました。
ベニバナヤマボウシ(紅花山法師)…もっと紅色に染まります
サラサウツギ(更紗空木)とベニバナヤマボウシ
サラサウツギ…何枚も撮ったのにボケた写真しかなくて残念です
ヤマボウシ(山法師)…山の花は花弁が細いです
ヤマボウシ…今年ほどヤマボウシの花数が多いのは珍しいと友人は語ります
棚に飾ってあった花…ノラニンジン(野良人参)とニゲラ
今日は暑いわねと友人が出して下さった団扇…とても爽やかないい風が立ちます
名工の作った団扇…柄と骨組みも和紙も絵も全て名工の手によります
気に入って使わせてもらった団扇…柿渋染めの和紙と蓼の絵が素敵、いい風でした
お花談義とパソコン練習もして楽しく過ごしてから帰宅しました。翌日戴いて来た"やまのおみやげ"の花を活けました。投げ入れの花は花器の中に太めの銅線をぐしゃぐしゃにして入れ花止めにしましたが、それでも動いて言うことを聞いてくれません。
ナツツバキ(蕾)と紅白のヤマボウシ…投げ入れは難しいです
サラサウツギとナツツバキの葉…小鉢に活けて剣山は貝殻で隠しました
我が家の小さな出窓に置いてある多肉植物に花が咲きました
キンコウセイ(金晃星)…ベンケイソウ科の多肉植物
キンコウセイ…葉は細かい毛が密生し、金色の星のような花が咲きました