きよかぜ便り

60の手習いで覚えたパソコンとカメラで楽しんでいます

2018年04月

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2018年4月26日(木)…友人の八ヶ岳山麓山荘の花園を、私達も親しみを込めて『ロスロリエン』と呼びます。ロスロリエンとは、J.R.R.トールキンの『指輪物語』に登場するエルフの国の一つで、『花咲く地』の意味だそうです。友人のご主人様がこの本から庭を『ロスロリエン』と名付けました。このお話を伺ってから私も、単行本6冊の『指輪物語』を図書館から借りて読みました。ロスロリエンの名に相応しい花園です。

サクラソウやシラネアオイの他にも、多くの貴重な山野草が咲いています

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ヤマシャクヤク(山芍薬)…ボタン科ボタン属の多年草…茎の高さは30~40㎝


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ヤマシャクヤクは花開いたばかり…中央の雌蕊の周りの黄色い雄蕊も新鮮です


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ヤマシャクヤクの花の花径は4~5㎝…5~7枚の白い花弁がふっくらと咲きます


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ヤマシャクヤク…朝に開き夕べに閉じるを3~4回繰り返した後に散ります


ワダソウも林下の彼方此方に咲いていました…雄蕊の丸い葯も残っています

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会いたかった花・ワダソウ(和田草)…花弁中央の雄蕊の丸い葯が綺麗です


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ワダソウ(和田草)…名は、中山道の難所と言われた『和田峠』に因んだ命名です


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ワダソウ…1㎝前後の白い5弁の花の、花弁の先端に切れ込みがあるのが特徴


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ワダソウ…雄蕊の葯が全てとれています…複数の花をつける個体もあります


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ホソバノアマナ(細葉の甘菜)…ユリ科…ロスロリエン以外では見たことがないです


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ホソバノアマナ…花弁の緑色の筋に魅力がある、小さな魅力的な花です


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ミミナグサ(耳菜草)…オランダミミナグサに押されて、最近見かけなくなりました


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ヤマブキソウ(山吹草)


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イカリソウ(碇草)


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サクラスミレ(桜菫)…日本に咲くスミレの中では最大で『スミレの女王』と呼ばれます


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ニョイスミレ(如意菫)…別名『ツボスミレ・壺菫』、小さなスミレです


山荘の西側には八ヶ岳の伏流水が湧出し、水辺を好む花が多く咲きます

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小さな渓流の周りには…サクラソウ・クリンソウ・エンコウソウなどが咲きます


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エンコウソウ(猿猴草)…キンポウゲ科で『リュウキンカ・立金花』に似た花です


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エンコウソウは、茎が手長猿の手のように横に広がり、名の由来になります


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ニリンソウ(二輪草)…こんもりとした群落は『ニリンソウ村』のようです


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ニリンソウ…まだ見頃の花が多く咲いていました


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ヒトリシズカ(一人静)


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フデリンドウ(筆竜胆)


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ミツバツチグリ(三葉土栗)


…(3)に続きます…



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2018年4月26日(木)…八ヶ岳山麓の山荘で4月から11月までの間、沢山の山野草の花守としてお暮らしの友人がいて、毎年何度か訪ねています。丁度日本桜草が満開との連絡を受け、友人達4人とY様の車で訪ねました。Y様の快適な運転で車内は動く談話室で賑やかです。昨日の雨が嘘のように晴れて青空が広がり、中央高速をしばらく走ると美しい山並みが見えてきました…車窓から富士山も見えます。

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美しい富士山を車窓から撮りました


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中央高速道路『双葉サービスエリア』で休憩…展望台に上り富士山を眺めました

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双葉サービスエリアと展望台


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展望台からの富士山の眺め…富士山以外にも360度・大パノラマで見渡せます


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富士山はやはり日本一の美しい山です


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空を見上げたら飛行機雲が…機体も目視出来ました


また車に乗り込み、八ヶ岳の友人宅を目指して出発です!

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これから向かう八ヶ岳連峰の山並みも、身近に見えてきました

この後少し渋滞しましたが、2度の休憩をはさみ約3時間半で友人宅到着…

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笑顔の友人が、この森の前で迎えてくださいました


山荘への小道の両脇に、自生のニホンサクラソウが大群生しています

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森の中はまだ芽吹きの季節…標高1000mのこの地は、一月遅れの早春です

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見事な二ホンサクラソウ自生地です…ここまでの大群生地になるには、暑い最中もひたすら雑草を抜く作業に励んだ、約45年の月日を要しているそうです。長い間ご夫婦で山野草を慈しみお育てになっていましたが、数年前にご主人様を亡くされてからは孤軍奮闘で、友人は誰の手も借りることなく、お独りで花守をしています。

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何度か草取りを手伝いましょうと声をかけますが、何時も即座に断られます。種から一年目の芽は、何年も花守をした人でないと解らず、つい抜かれてしまうそうです。

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ニホンサクラソウ(日本桜草)は亡きご主人様が特に愛された花で、友人も大切にしています。野生種のサクラソウがこんなに見事に増えて群生すると、盗掘が心配です。鹿や猪の被害もありますが、一番怖いのは人間の盗掘者なのだそうです。

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去年よりも株数が増えてボリューム感たっぷり…新鮮な花ばかりで美しいです

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今年突然出現した白いサクラソウ…花弁の縁にギザギザがあり珍しいです

数年前何度か、埼玉県さいたま市桜区にある『特別記念物・サクラソウ自生地』を見に行きましたが、黄色の『ノウルシ・野漆』の大群生の合間に細々と咲くだけでした。
その後友人宅の大群生を見て驚き感動し、サクラソウの魅力にとりつかれました。


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サクラソウ自生地の上を見上げると…ヤマザクラや木々の新芽が空を覆います


シラネアオイ(白根葵)は花の盛りは過ぎましたが、遅咲きの花が綺麗でした

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シラネアオイ(白根葵)…日本固有種の1属1種の花で、別名『春芙蓉』『山芙蓉』とも

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美しい花ですが、森を抜ける強い風と強い光線で、上手に撮れません

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シラネアオイは優しい花姿です…眺めていると心が癒されます


…(2)に続きます…


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2018年4月19日(木)…多聞院の後に埼玉県道126号線へ戻り、狭山市の堀兼神社へ向かいました。10年程前にまだ練馬区に住んでいた頃、興味があった堀兼神社へ夫に車で連れて行ってもらったことがあり、是非もう一度訪ねたい思いでした。

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堀兼神社・鳥居

東京に住むようになってから、何故か武蔵野の歌枕になっている地に興味が湧きました。堀兼神社境内にある『堀兼之井』もその一つで、″ほりかねる″井戸が名の由来ですが、この他にも堀兼の井と呼ばれる井戸が、付近に幾つかあるそうです。

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都から遠い原野の武蔵野…堀兼の井を多くの歌人が想い旅をし、歌を詠みました

武蔵野の堀兼の井もあるものをうれしく水の近づきにけり (藤原俊成)
おもかげぞ語るに残る武蔵野や堀兼之井に水はなけれど (道興准后)
汲みてしる人もありけんおのずから堀兼の井の底の心を (西行))


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堀兼之井

社伝によると、景行天皇の40年に、日本武尊が東北の蝦夷征伐の帰途この地に立ち寄り、土地の人々が旱害に苦しんでいるのを見て、水を得ようと富士山に祈願したら清水が湧出しました…この地に地元住民が浅間神社を創建したと伝わります。

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堀兼之井の井形も枯葉に埋もれています…もちろん水は湧いていません

堀兼之井は直径7.2m、深さ1.9m…この辺りに多く残る平安期の井戸の一つです

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堀兼之井之由緒書き…傍らに古い石碑も2基建立します


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近代に使われたらしき井戸が遺されていました


随身門から入り浅間神社も参拝しました

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随身門


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小高い丘の上に社殿があります…扉は閉じていますが写真が掲示されていました

鎌倉後期紀行文『とわず語り』の女主人公(後深草院二条・女西行と言われた女人)も旅をしてこの地を訪ねましたが…堀兼の井は跡かたもなくただ枯れたる木の一つ残りたるばかり…と、記しています。この本を読んで堀兼の井に興味が湧きました。堀兼の地は、奈良期の官道・東山道武蔵道の枝道が通る、古代からの道筋でした。

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境内の御神木のケヤキの巨木も、十年前と変わっていません

堀兼神社は小社ながら歴史は古いです…10年前に訪ねた時は丁度村祭りの日で賑やかで子供神輿も見ることが出来ました…今回は境内には誰もいませんでした。


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帰り道の景色です…沿道のハナミズキが美しく咲いていました


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道端にはクサフジが生い茂っています


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花色も形も美しく、自転車を止めて写真を撮りました


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クサフジ(草藤)…ソラマメ属の多年草、藤に似た美しい花です


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ヤマフジ(山藤)…木に絡みついて陽の差す高所で咲いています


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キツネアザミ(狐薊)


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ノミノツヅリ(蚤の綴り)…ナデシコ科で、アスファルトの隙間によく咲いています


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ノミノツヅリ…花は2㎜ほど…雑草と言われる花ですが、私には気になる花です


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埼玉県所沢市と東京都清瀬市の市境を流れる『柳瀬川』


…了…

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2018年4月19日(木)…ブロ友さん達のブログでは、花の見頃のクマガイソウ群生地でしたが、この日は最盛期を過ぎていました…でも遅咲きのクマガイソウが、奥の日陰の場所や離れている竹林の中に、まだまだ綺麗に咲いていました。多聞院の花のお世話をしている方によると、10日程前が一番の見頃だったそうです。群生地にはクマガイソウに交じって色々の花が咲いていて、十分満足することが出来ました。

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群生するクマガイソウの写真は綺麗ではないですが…


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中には遅咲きの、まだまだ見頃の美しいクマガイソウが咲いていました

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クマガイソウ(熊谷草)…ラン科アツモリソウ属の多年草…名の由来は、膨らんだ形の唇弁を、武士が背中に背負った母衣(ほろ)…母衣は馬を走らせると風をはらんで大きく膨らみます…に見立てたものです…源平一の谷の合戦で敗れた平家の敦盛の首を、泣く泣く討ち取った熊谷直実の名がつきます。扇型の葉も特徴的です。

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クマガイソウ群生地に咲いていた山野草

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ベニバナヤマシャクヤク(紅花山芍薬)…一輪だけ咲いていました


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ベニバナヤマシャクヤク…雌蕊が5本と言われますが、よく見えませんでした

ベニバナヤマシャクヤクは、友人の八ヶ岳山荘の広い庭に沢山咲きますが、その花よりも花色の紅が濃く感じました…友人へのメールに写真を添付して送ると、やはり花色が濃すぎるとのこと…土壌のせいなのか、品種改良の花なのか解りません。


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ハッカクレン(八角蓮)…蓮に似た葉の角の数が八ツ…八角蓮の名の由来です


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ハッカクレンの花…赤褐色の抱きかかえの花が、下向きに咲きます


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ヒメシャガ(姫射干)…シャガに似ますが、ずっと小型です


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ムサシアブミ(武蔵鐙)…花が馬具の鐙(馬に乗る時に足を差しこむ馬具)に似ます


境内を一巡りして、色々の珍しい花に出会いました

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ヒメイズイ…アマドコロの仲間で丈は20㎝前後…筒形の白花の先端が緑色です


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ウラシマソウ(浦島草)…肉穂花序先端の付属体が、釣り糸のように長く伸びます


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ユキモチソウ(雪餅草)…仏炎苞の中の肉穂花序が、白いお餅のように見えます


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名札がありません…マルバウツギ?…それともウメモドキ?…名が不明の花です


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『鬼の悟り』の石像前の周りは、アマドコロが群生しています


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アマドコロ(甘野老)…葉に班が入っています


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竹林に中には筍が沢山…山野草も咲いていました


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エビネ(海老根)


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エビネ(海老根)…花色がとても美しかったです


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ハナミズキ(花水木)

多聞院の花を育てている方から、上の左側の写真と似た写真を見せてもらい…何の花なのかわかるかと問われました…花の名には詳しいと自負していますが、全く分かりません…後でその花の下へ行き驚きました…写真はハナミズキが花弁を広げる前の姿だったのです…美しく開いた花だけを観ていた自分を反省しました。

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クロバナロウバイ(黒花蝋梅)…北米原産で別名『アメリカロウバイ』


…この後、堀兼神社を訪ねました…



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2018年4月19日(木)…ブロ友さん達のブログで、所沢市中富という処に、花の寺で有名な多聞院があり、季節ごとに美しい花が咲くことを知りました。今年は季節の歩みが早く、ブロ友さん達が紹介して下さったクマガイソウの盛りは過ぎたでしょうが、きっと牡丹は咲いているに違いないと思い、自転車で出掛けました。所沢は住む街の隣の市、中富地区は地図で見ると市境の柳瀬川を渡ると左程遠くないようです。

埼玉県道所沢堀兼狭山線という大きな道を通り、約45分で迷うことなく到着しました

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多聞院通りに面した道からも、名高い花の寺であることがよく解りました…表題に使ったのは正門参道の写真ですが、正門脇にも境内へ通じる花の道がありました。

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多聞院・毘沙門堂

ネット検索によると…多聞院は真言宗豊山派の寺院で、正式には『宝塔山吉祥寺多聞院』…当時川越藩主だった柳沢吉保が、三富新田として上富・中富・下富村を開村した際、中富村に祈願所・鎮守の宮として毘沙門社(多聞院)を創建しました。

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毎年5月1日には、毘沙門天の化身とされる虎に因んで『寅まつり』が開催されます。その時に『身代わり寅』を奉納する人が多く、毘沙門堂の欄干には小さな身代わり寅が沢山納められ並びます…私も何時か、寅に災いを託してお納めしたいです。

この日は気温25度以上の夏日で、美しく花開いた牡丹の多くはぐったりしていました

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境内には23種類300株の牡丹が咲きます…立体曼荼羅をイメージしているそうです

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傘地蔵尊…この後ろには『クマガイソウ』が群生します


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暑さと乾いた強風でぐったりしている花が多く、被写体になる花は少ないです

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ボタン(牡丹)…ボタン科の落葉低木で、別名は『富貴花』『花神』など多数あります。
原産地は中国西北部、根の樹皮部分は漢方薬『牡丹皮』で漢方薬に使われます。


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シャクナゲ(石楠花)も幾種も咲いていました


見上げると大きなハンカチノキの花が、ひらひらと風に揺れています

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ハンカチノキ・・ミズキ科の落葉高木で、中国雲南省・四川省が原産


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『ハンカチノキ』の名もいいですが、英名『Dove tree・鳩の木』もいいですね


…(2)に続きます…



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